輸入業務って・・・

私の主業務はソフトウェア製品の営業や仕入先との折衝なのですが、時々、輸入代行業のような輸入業務もしています。これが意外と苦労します。

アイディネットワークス起業時(1997年)、米国にあるAnixterというケーブルやネットワーク機器のディストリビュータと密接に仕事をしていました。その後、Anixter社の業態変更に伴い、Anixter社とのビジネスが減ったのですが、今でも、Anixter社が取り扱っているケーブルを購入したいというお客様があります。

そのため、年に数回、ケーブルを航空便で輸入することがあります。ケーブルのようなものは船便の方が安く済むのですが、量が少ない場合は、航空便の方が安上がりに済みますし、何より、納期を短くするため、必然的に航空便になります。

通常、1,000フィートを米国から輸入しているケーブル、先日、3,000フィートの注文を頂きました。

手数料が3倍にならずに済むということと、量が増えたら、重量あたりの運賃の単価が下がるであろうと読みから、お客様も私も、1,000フィートの輸入費の3倍よりも、少しは安くなるだろうと思っておりました。

1,000フィートの場合、段ボール箱、もしくは、リールで届きます。

なので、3,000フィートの場合は、少し大きめのリール1個で届くと勝手に想像しておりました。それが・・・・・・・・・・

cable reel and box

リール2個と段ボール箱1個が届きました。

早速、国際輸送の業者に運賃を確認すると、普段なら、1,000フィートのケーブルで20kg以下の貨物が、3,000フィートで157kg!!!

運賃は、通常の数倍、30万円を超えていました。

でも、仕入先のドキュメントには、重量が162ポンド(約73.5kg)と書いてあります。リールと段ボールをそれぞれ手で持ってみても、一個 20kg程度です。

よくよく調べてみたところ、157kgというのは、容積重量であることが判明しました。

嵩張る貨物の場合は、運賃の計算に容積重量が適用されます。容積重量の計算は会社により異なりますが、今回、使用した輸送会社では、

貨物の縦 (cm) × 横 (cm) × 高さ (cm) ÷5000

または

貨物の縦 (inch) ×横 (inch) × 高さ (inch)÷305

となっています。

輸送会社の記録では容積は、48 (inch) x 40 (inch) x 25 (inch) だったので、容積重量は確かに 157kg となります。

ところが、仕入先が発行したCommercial Invoice(通関の際に必要な輸入品の内容・金額を記す書類)を見てみると、容積は、48 x 40 x 20 となっています。高さ 5 inch の違いですが、これだと、容積重量は125.9 となり、30kgも少なくなります。

どちらが正しいのか?

輸送会社からは、20 inch と 25 inch の高さの違いは、パレット(物流で使用される貨物を載せる台 – フォークリフトで移動する)に載せる前の高さではないか?と指摘を受けました。つまり、実際の貨物の高さは、25 inchだろうと。

そうなのかなぁ、と諦め始めたのですが、いろいろ考えているうちに、貨物の縦と横の大きさがなぜ、48 inch (約1.2メートル) と 40 inch (約1メートル) なのか?という疑問が湧き始めました。

というのは届いている貨物3つを並べると、90cm x 85cm くらいにしかなりません。

で、調べているうちに、48 x 40 というのは、北米で使用される標準的なパレットのサイズであることがわかりました。

つまり、仕入先の書類に 48 x 40 x 20 と書いてある容積は、すでにパレット込みなのです。

また、貨物の高さは、14.5 inch (約36.8cm) くらいでしたので、パレットの高さ(5インチ前後)を足すと、ちょうど、20 inch くらいになります。

つまり、48 x 40 x 20 の容積の方が信憑性がありそうだということを輸送会社に説明し、また、「弊社への配達時、包装を解いていいか?と聞かれないまま、包装を解かれた状態で、箱1個とリール2個が届けられましたので、弊社としては、実際のパレット込みの高さを把握する術がありません」ということもクレームとして言ったところ、ようやく、48 x 40 X 25ではなく、48 x 40 x 20 の容積での運賃に訂正してもらうことができました。

結果的には、6万円と少し、運賃が下がりました。(それでも、1,000フィートのケーブルの輸送費の3倍より、10万円以上余分にかかりました。)

そして、仕入先には、「梱包方法が適切でなく、法外な輸送費を払うことになった」ということを訴え、商品を値引きしてもらいました・・・。運賃の値下がりと合わせ、これで少しでも、仕入時のコストを抑えることができます。

今回学んだ教訓として、次回から、複数の段ボール箱やリールをパレットに載せて、一つのパッケージとして輸送するのではなく、それぞれ個々のパッケージとして輸送してもらうよう指示をしなければなりません。

また、少しでも、仕入のコストを下げたければ、諦めずに、輸送会社、仕入先など、お金を払わなければならない相手に対して、根気よく交渉を続けるしかありません。こちらの言い分を理解してもらい、困っている現状を訴え、少しでも良い条件を引き出す。それが、ビジネスにおける交渉の基本だと改めて思いました。居丈高になるのは結局損しますが、交渉の途中で、声を荒げたり、困っている声を出したり、そういう演技らしきことをするのは姑息だとは思うのですが、効果的であるということは認めざるを得ません。

たかが、輸入業務だとは思います。でも、たった3,000フィートのケーブルの輸入に、箱1個とリール2個をパレットに載せて輸送するなんて、完全に想像の域を超えていました。そして、そんな想像の域を超えることが時々起きます。

そしていつも思うのです。ソフトウェアの販売は効率的で良いなぁと。もちろん、ソフトウェアも、ライセンスの定義とか、機能に関する質問とか、サポート更新の連絡とか、いろいろ面倒なことはあります。ただ、大体、想定範囲内の問題しか起こりません。それに比べ、物理的な物の輸入は納期確認から、梱包方法の指示、輸送費の見積、通関の際のやり取り、返品・交換の手続き、等々、どれだけ経験しても、なかなか、トラブルから逃れられるということがありません・・・。

輸入業務って・・・、大変です。

でも、お客様が必要としているものを海外から取り寄せて、お届けする、というのは、やっぱり良い仕事です。

 

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